【第12回】思い出の詰まった家を社会のために生かす
※西東京市の地域情報紙「タウン通信」で連載中の「地域づくりは住まいから~新しい不動産スタイル」からの転載記事です。この連載にはERA LIXIL不動産ショップ・三成産業が協力しています。
不動産からできるまちづくりを考えるシリーズ。今回は、高齢者の安心の住まいを考える。
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少子高齢社会のなかで、親の家を相続する人が増えている。子どもとの同居や老人ホームに入るなどで、住まいを手放す人も少なくない。
そのようなとき、ほとんどの人は「売却」を考えるが、「思い出の詰まった家を有効に活用してほしい」と呼び掛ける人がいる。ひばりヶ丘駅そば「ERA LIXIL不動産ショップ・三成産業」の清水二郎さんだ。
「物件にはさまざまな可能性があります。単純に建売住宅や駐車場に替えるのではなく、誰かの役に立つような活用を検討してみませんか?」
活用の実例
その活用方法は物件の立地、広さ、築年数などで変わる。「こうすればいい」と言い切れないのが難しいところだが、同社の実例では、例えば――
◎シェアハウスへの用途変更
◎グループホームへの用途変更
◎バリアフリー化へのリノベーション
などがある。
いずれも所有権を保持したまま物件活用が可能で、その場合はオーナーとして月々の賃料収入が得られる。
もちろん、入居者がいなければ赤字経営となるが、「立地や増改築の必要経費を見て、しっかり計画を立てればそう心配することはありません。地元に詳しい不動産業者にアドバイスをもらうといいでしょう」と清水さんは話す。
売却しても…
このように思い出の住まいを所有していけるのは財産面でも心理面でもメリットが多いが、もちろん、「面倒だから手放したい」という人もいる。
たとえそれでも、売却後にグループホームなどの社会資源になるなら、「オーナーの満足度は高い」と清水さんは指摘する。
「長年暮らした住まいが誰かの手に渡るというのは、想像以上に喪失感を伴うものです。物件の処分はぜひ慎重にお考えください」(清水さん)
なお、同社では、無料で物件活用の相談に応じている。
(タウン通信 2022年1月17日発行号掲載記事から転載)