【第3回】空き家利用の選択肢の実際 「売る」以外の活用法とは
※西東京市の地域情報紙「タウン通信」で連載中の「地域づくりは住まいから~新しい不動産スタイル」からの転載記事です。この連載にはERA LIXIL不動産ショップ・三成産業が協力しています。
不動産からまちづくりを考えるこのシリーズ。今回は「空家利用の選択肢」を考える。
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前回、空き家の増加が確実視され、今後は「家が負の財産になる」という可能性を指摘した。
家・土地を資産として活用するためには、早めに適切な対処をすることが求められてくる。
「ほとんどの人は『早めに売る』という発想をします。でも、実は選択肢は多彩です」
そう話すのは、ひばりヶ丘駅前で約40年の「ERA LIXIL不動産ショップ・三成産業」の清水二郎さんだ。
その選択肢の一例を紹介しよう。
(※下写真はERA LIXIL不動産ショップ・三成産業が管理するグループホーム)
福祉的に活用する
まず、空き家を有効活用するという視点でいえば、地域の中で不足している福祉のために用いるという方法がある。
精神障がい者のためのグループホームの事例を以前紹介したが、ほかにも、認知症患者向けや、知的障がい者向けなどさまざまある。
一軒家の場合は家庭的な雰囲気があることから、児童養護施設としても有用だ。
バリアフリー物件
福祉の延長線上で、バリアフリー物件にして人に貸すという方法もある。長寿社会で車いす使用者は増えているが、バリアフリー物件は少なく、入居先に困っている人がいる。空き家に付加価値を付ければ、入居者確保が容易になる。
シェアハウス
複数人が暮らせる広さがある家なら、シェアハウスとして貸し出すのも一手だ。
賃料の安さから、今、若者の間でシェアハウスは人気。また、シングルマザー専用のシェアハウスなども注目されており、ニーズの高まりが予測されている。
難点は管理が必要なことだが、同社では入居者募集から物件管理、内外装工事のコンサルティングまで行っており、任せてしまえば楽だ。
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こうした選択をするには、各機関とのネットワークなども必要になってくる。実績ある不動産会社の存在が重要だ。
「オーナー様のご意向、物件の状況などに合わせ、柔軟にご提案しています。まずはお気軽にご相談ください」
と清水さん。着手するのは早めが良さそうだ。
(タウン通信・2021年4月21日発行号掲載記事からの転載)