【第1回】コロナ禍でまちづくりは変わる 弱者を支える土地活用とは!?

※西東京市の地域情報紙「タウン通信」で連載中の「地域づくりは住まいから~新しい不動産スタイル」からの転載記事です。この連載にはERA LIXIL不動産ショップ・三成産業が協力しています。


不動産からのまちづくりを考えるこの企画。初回は、そもそもの問いとなる「不動産でどんな社会貢献ができるのか」を探る。

 

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「コロナ禍で地域への見方や関心が変わってきています。テレワークが増える一方、首都圏を去る人も出ており、これからの町は都心に近いという利便性だけではやっていけなくなるでしょう」

そう指摘するのは、ひばりヶ丘駅前「ERA LIXIL不動産ショップ」の清水二郎さんだ。

 

賃貸・売買・管理と多彩に不動産を手がける清水さんは、「不動産からできるまちづくり」を数年前から意識してきている。それが今、このコロナ禍でよりニーズが増した格好となっている。 

 

では、同社が行う「不動産からのまちづくり」とは何なのか?

 

それは開発とは一線を画した、社会福祉的な要素を強く持っている。

その一例については、先日の1月20日号で紹介したので覚えている読者も多いだろう。


好条件の物件を提供

改めて同号の内容を振り返ろう。

同号で本紙は、同社とNPO法人「友訪」が連携して精神障がい者のためのグループホームを運営していることをお伝えした(上写真はグループホームの一室)

 

同社の役割は、管理物件をグループホーム用に提供すること。

物件の賃貸契約は不動産会社としては当然の仕事に思えるが、実はこれは勇気のいる決断だといえる。

というのも、精神障がい者が入居していると分かるアパート等へは、偏見や差別心から、特に隣室を筆頭に入居率が下がる現実があるからだ。

 

前回の記事では伏せたが、実は取材したこのグループホームは、ひばりヶ丘駅から徒歩5分ほどの好立地にある。

現状、多くのグループホームは、「立地が悪くて入居者が決まらない」「NPO理事者などの所有物件」といった状況で運営されている。つまり、精神障がい者への住居提供は、苦肉の策か篤志家によるもの、というケースが大半となっているわけだ。

そうしたなかで、好条件の物件が地域密着の不動産会社から提供されるのは珍しい。

 

 

増える障がい者

では、なぜ同社はそうした提供を行っているのか?

 

その問いを清水さんは「住宅を探している人に住まいをお貸しするのは不動産会社として当然のこと」と自然体で話す

 

「地域の中で暮らしている人を選別するのはおかしなこと。彼らの住まいが不足しているのでサポートしているが、それはあくまでも業務の一つ。何も特別視はしていません」

 

清水さんの真意を知るには、地域の現状を確認する必要がある。

全国のデータになるが、内閣府の公表では、国民の7・6%が何らかの障がいを持っている。

精神障がい者に限定すると、10年で100万人以上増えており、人口1000人当たり換算では33人。例えばこれを同社のある西東京市に当てはめると、精神障がい者は市内に6931人いることになる。

 

これに対し、同市内のグループホームの数は29ユニット(約200人分)のみ。全員が独居を望むわけではないが、住居不足は明らかだ。

 

こうした状況の中、清水さんは大家・所有者に訴える。

「物件や土地をさまざまに活用できることを知れば、選択肢は増える。空家などを抱えずにぜひ相談してほしい」

 

(タウン通信・2021年2月17日発行号掲載記事からの転載)